元エンジニア・新間先生の自問自答ブログ

転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

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今、どうやら落語ブームが来ているらしい。
【NHK クローズアップ現代 2016年10月放送】
「いま、「江戸時代以来」の落語ブームが巻き起こっている。首都圏の落語会は月1000件以上と10年前の倍。深夜寄席には大行列ができ、20―30代のファンが急増。個性派若手ユニット「成金」ら、新世代の成長が著しい。落語本来の「大衆性」を取り戻そうと、言葉使いを変え、SNSを駆使し、カフェの出張落語会まで仕掛ける奮闘ぶりだ。デジタル隆盛の中、落語特有のライブ感や世界観に共感し、魅了される若者たち。オリジナル小噺も交え、「平成の落語ブーム」の魅力をひもとく。」

この番組をみたとき、なにが衝撃だったかというと、
「おおお!今、落語ブームなのか!」
ということ自体に感動した。

天下のNHKが、そう断言してくれた、ということが、何よりも嬉しくて、とても気分が高揚したのを覚えている。

自分の中では、平成になってもう2度ほどブームが起き、すでにブームが去ったのか、と思っていたら、なにやら世間の感覚とちがったようだ。

まあ、そんなことはおいておいて、

落語がブームになるのは、明治のころからの日本の伝統であるが、いつの時代にも、わたし同様、落語に魅力を感じる人は多いらしい。とくにこの頃の若い人は、落語が新鮮に感じるのだ、という。

何よりも、登場してくる人物がいい加減で、また洒落ていて、さらにいえばコミュニケーションが上手である。

この、コミュニケーションの上手さ、というのが、どうやらあこがれ、であるようだ。

今の時代、コミュ障、なんていう言葉ができるくらいで、人々の中の強迫的なまでの、

「コミュニケーション上手にならなければ」

という観念が、現代人の多くをつき動かしている。

その肥大化した観念を持った現代人が聴くと、江戸の人付き合いのセンスをもつ熊公や八っつぁんのもつ浮かれたノリが、まるで異星人のように感じられるらしい。長屋のご隠居と共に、熊公も定吉も番頭さんも糊屋の婆さんも、みんながみんな、世間知らずのままでも決して動じず、軽々と生きている有り様が、若い人に受けている。

本屋に行けば、棚に並んでいるのは

「人付き合いがうまくいく方法」

だとか、

「雑談力」

だとか、

「上司や部下とうまくコミュニケーションをとる会話術」

なんていう本が束になって売られている。
今や、コミュニケーション不安という強迫で、ずいぶんと市場はにぎわっているらしいことがわかる。


落語って、ただのおしゃべりのような気もするし、

だったら漫才やコントの方が、現代風であると思うのですが、なぜ落語なのでしょうネ?


それは、ネ。


現代人が、物語(ストーリー)に、飢えているから、ではないでしょうか、ね。

コントや漫才の表出する「物語(ものがたり)性」は、一時のもの。一過性。束の間のもの。

ところが、落語は、それらよりかは、はるかに世界に広がりを感じさせる。

テレビ番組のひな段芸人のお喋りや、コント漫才にはない、さらなる刺激を、若い人が求め始めた、ということではないでしょうかね。

「らくだ」(落語の噺のひとつ)

なんて聞いたら、若い人たちみんな、卒倒しちゃうんじゃないでしょうか。
だって、最初から、死人を背負って歩くのですよ。
「長屋の花見」、「算段の平兵衛」、「粗忽長屋」の死人など・・・
落語には、放送禁止レベルの描写が、わんさか。

また、長屋の空間にはプライベート感など、一切ありません。
「おい、いるかい」
なんて、すぐに誰でも部屋に入ってきちゃう。
その部屋だって、たたみ三畳、四畳、広くて六畳。
江戸間の六畳がつづく路地で、わいわい言いながらみんなで暮らすんですから。

当時はおそらく、コミュニケーション、なんていう言葉も、なかったでしょうね。コミュニケーションなんて言葉を使いだしたから、みんな悩むようになったのかもね。



現代は、人間から人間へ、の刺激が足りないのでしょう。
とくに若い人たちには。

そんな長屋の【絶頂レベルの刺激世界】を、熊さんや八っつあんたちは、いとも軽妙、軽々と飄々と泳ぎ、わたっていく。

その姿に、最高レベルのあこがれ、を感じているのではないでしょうか。

ブーム
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