困らない叱らない。新間草海(あらまそうかい)の教室日記

漂流する人生からつかんだ「困らない」生き方とは。
転職を繰り返し、高卒資格のまま小学校の教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

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歴史の授業がつづく。

教科書にも資料集にも、資源獲得が目的で戦争をした、というふうに説明がある。
しかし、うちのクラスはそれで納得しない。

資源が不足していたら、不足しているなりにふさわしい生活をすればよい、というのである。

「え?でも、みんなガソリンつかった車で遠くに出かけたいでしょう?トラックだって走らなきゃいけないし。工場でも燃料がなきゃ」

と説明するが、要するにそれだからといって人を殺すリスクはとらない、という。


しかし、教科書や資料集のどこをどうひっくり返しても、小学校の歴史の学習レベルでは、

「満州国建国も、日中戦争も太平洋戦争も、資源獲得のため」

というふうにしか、書かれていない。

子どもたちは、不満顔であります。




石炭欲しさに人を殺すのはリスクが高すぎる、というふうに説明する女子がいて、さかんに自説を論ずる。

「戦争で国がボロボロになるのは分かってる。それでも、なんで軍部が大陸に進出しようとしたのか?資源が欲しければ、普通に買えばいい」



男子が、おもしろいことを言った。

「勝ちすぎたからじゃない?」


これは面白かった。

つまり、日清・日露、と勝ってしまったので、国民全体で、「勝つ日本、強い日本」というイメージで、気持ちよくなってしまったのではないか、という。

「勝つのがいい、というふうになっていたから、気持ちが良くなって、次も勝てるんじゃないか、と思ったと思う」

なるほどー、という空気が流れた。



わたしは個人的に、

「平和になると、軍人が、職を失うことになるので、なかには戦争があった方がいいな、と思ったひともいたかもしれない」

と感想を言っておいたが、人殺しのリスクを説いていた女子がそれを聞いて、さかんに頷いていた。


ま、ともかく主に資源獲得を理由とした日中戦争がはじまり、時代はいよいよ太平洋戦争へなだれこむ。

さて、以下が本日の学習問題だ。

もし、アメリカと戦争をしたら、どうなるのだろうか。

わたしはいつも、学習問題を黒板にデカデカと書く。

ノートに意見を各自が書いてから、いつものように班で相談。
その後、教室全体での討論に持ち込んだ。


もし、戦争をしたら

〇勝てば主権を取り戻せる
〇勝てば中国に領土を広げて石炭が掘れる
〇勝てば領土が広がって、もう一度ロシアと戦うことになったかもしれない
〇勝てば資源が手に入りやすくなり、さらに強くなれる
〇勝てばアメリカに言うことを聞かせられる
〇でも負けると思う。資源の量が違うから
〇負けたら賠償額が高くてさらなる不景気になる

もし、戦争をしなかったら

〇資源が無いままなので、生活を変えないといけなくなる
〇植民地支配をせっかく始めたとところなのに、支配できなくなるかもしれない
〇日本がねらわれて、植民地にされてしまうということかもしれない
〇平和だけど、生活は貧しくなるかもしれない

戦争をした場合としなかった場合で、あれこれと出し合った。


教科書には、やはり、「資源の無い国」という書き方が一貫していて、日本人は「資源が無いから、他を侵略する傾向にある」というように、言外に子どもたちに教えているような気がした。

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コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. 福
    • 2016年01月19日 07:30
    • 5 日本人はって‥。誰だって資源が枯渇すれば、強奪しに行くでしょう。

      皆が満たされていれば、殺されるリスクを冒してまで侵略しに行くとは考え難いのですが。

      食うや食わずから、経済が潤って豊かになれば、イケイケムードになるのも判る気がします。
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