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世の中が落ち着かないのは、まず頭の中が整理されていないからだ、ということについては、もう分かりきっているのですが、なにせ、このご時勢だもの、考えてる暇がない。


大事なはずの「頭の整理」は、忙しい世の中、どうやらどこかへ置き去りにされているようです。

人の邪魔をしない、ということだけでも、話し合えることがたくさんある。

人が死んであの世に行ったら、おそらく、閻魔様がきくのは、こういうことじゃなかろうか。
「お前は、他の人の邪魔をしなかったか?」

閻魔様からみたら、

「〇〇をしました、達成しました、やりました、できました、数字を伸ばしました、大きくしました、開催しました、展開しました、始めました」

という類は、ほとんど差が無いのでしょう。ハっつあんや熊さんやビルゲイツ、を比べたところで。

それで地獄行きか極楽行きかなんて、決めないのだと想像できます。



「他の人間の、邪魔をしなんだか?」

そこではじめて、

「え・・・、えっと。邪魔ですか?そうですね・・・」

と、考え始める人間をみて、閻魔様は、

「他の人の邪魔にならなんだかどうかって、考えたことないのかいな、こいつは」

と思うと、

「はい、地獄」

とスタンプを押すのでしょう。



生前をうつすという鏡を見て、閻魔様、そばにひかえている赤鬼どもに向かい、

「ううむこやつ、機嫌を悪くするなんていう姑息な手段を使って、人の気持ちを操作しようなどと不埒千万(バチン!)、この者、地獄に遣わすーッ」



さて、この話、いちばんやな顔して聞くのは、学校の先生たちでしょうなあ。

わたしはクラスで、こういうような、「閻魔様ってどんなこと言うかなあ」、という話をときどきしていますが、子どもも、ははん、と聞きながら、なにか考えているようです。

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