困らない叱らない。新間草海(あらまそうかい)の教室日記

漂流する人生からつかんだ「困らない」生き方とは。
転職を繰り返し、高卒資格のまま小学校の教員になった筆者の自虐スナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

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6年生の担任になって、一番ざんねんなのは、

社会の授業であります。

縄文時代の授業は、公には、

たったの1時間程度しか、予定されていません。

なんてこった!
縄文フリークのわたしが、たったの1時間しか、授業できないなんて!!



わたしは、大急ぎで、授業を進めなければならない。

1 縄文時代は豊かだったと言えるだろうか

2 狩り採集の暮らしと、農耕の暮らし、どっちが良いか

3 縄文時代は技術力が高いくせになぜ古墳がないのか


これだけでも、えらい時間かかる。
本当はもっと、討論したいことがたくさんあるのに・・・!!


この3つの中で、いちばん盛り上がったのは、1番の、

「縄文時代は、果たして豊かだったのか」


というテーマでしたね。

まだ最初の授業だったからか、子どもたちに縄文時代のイメージが薄く、いろいろと疑問が出て来て、面白かったです。

最初は、「貧しかったと思う」という子がほとんどでしたが、資料を読みこなすにつれて、

ものすごく豊かだった縄文時代、というイメージに、がらりと転換していくのが見事でした。

農耕をしないでも、ありとあらゆる自然界の恵みを得る能力が高く、豊かに暮らしていた時代、というのが、縄文時代の総括となりました。


ところがちょっとこれは問題があって・・・。

何が問題かというと、教科書によくある、

「縄文時代は欠陥があったので、弥生時代の農耕に進化した」

というストーリィが、なんとなくしっくりこない、という点ですね。

これについては、こんな情報も、子どもたちにちょっと耳打ちしておく。

「アフリカの奥地に住む、食物獲得に費やす時間が平均二時間以下(余暇たっぷり)のハドサ族に、文明人が農業を教えようとすると、『この世にモンゴンゴの実がこんなにたくさんあるというのに、どうして植えなければならないのか』と言って拒否したそうです。彼らは、農業を知らないから農業をしないのではなくて、余暇を守るために農業を拒否したのです」


すると、子どもたちから、

「あんまり豊かだったんで、人口が増えすぎたんじゃないかと思う」

だって。

スルドイ!!!!!


つまり、

縄文時代(すごく豊か)⇒人口爆発増加⇒ちょっと増えすぎて食糧不足⇒貧しい人たちが出現⇒しかたなく農業をやるはめになる。

というストーリー。


これなら、納得ね。

縄文時代を境に、どんどんと人にとっての自然環境は貧しくなり、昔ながらの悠然たる「狩り採集スタイル」、つまり、まるで富豪の余暇のような暮らしというのは、もう実行できない、というわけだ。

・・・っつーことは・・・人間社会は、どんどん、退化してますナ。





あと、

教科書や資料集には、大型のシカやイノシシを追いかける男たちが、手に槍や、弓矢をもって挑む構図のイラストが堂々と掲載されていますが、

これに真っ向から反論できる6年生ってすごいと思います。


「こんな、命がけのこと、やらないと思う。」

だって。




土器や墓をつくり、三内丸山遺跡の巨大掘立柱建造物がつくれるくらいの測量、土木技術に優れた縄文人たちが、こんなリスクの高い行動を、日々、行うはずがない。

「こんな、大型のシカと、真っ向からやり合うとか、ないよね」



わたしは、疑問に思って、尋ねる。

へえ、みんなが縄文人だったら、どうするの?だって、お肉が食べたいじゃない?

子どもたち、すかさず、



「えっと、落とし穴」
「みんなで追い込む」



ほぼ、全員がそれに賛同。



この、縄文人が、

「槍をもって、男たちが数人で、勇んで、命がけの、すさまじいリスクをはらむ大勝負に出ている構図」

というイラストって、ずっと昔から、訂正されずに続いている。

ま、事実、↑ こういったこともあったろうから、いいんだけど。




問題なのは、まるっきり、教科書や資料集を、疑ってかかる6年生がいるってこと。

歴史って、どこまで想像していいんでしょうか・・・。


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