困らない叱らない。新間草海(あらまそうかい)の教室日記

漂流する人生からつかんだ「困らない」生き方とは。
転職を繰り返し、高卒資格のまま小学校の教員になった筆者の自虐スナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

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常識から外れている、というので、小学校の先生なんかは特に非難される側に立つ。

「世間知らずだからね」

というのは、やはり教員がよくさらされてしまう非難の言葉であります。

私なども、どちらかというとそう言われてしまい、なるほど、世間を勉強しなければならん、というふうに反省しながら聞いております。

幸い、まだ教員になって「新米」の方でありますし、転職組だということから、保護者の方に言われるのは、

「先生のように、世間を見てきた方に担任してもらえる方が安心」

という感じでお話され、これは恐ろしくて、とても受け入れにくい言葉ですね。

なぜなら、とても、「世間を見てきた」などと、胸を張って言えるようなことがないからで・・。


うちのおやじは住宅会社のサラリーマンでしたが、自分のことをよく、「世間知らず」と言っていましたなァ・・・。

「お父さんも長く勤めてきて、少なくとも不動産の世界は地獄だということが分かったが、それ以外は分からんなあ」

と、言ってましたっけ・・・。

そして、今は何故だか喫茶店のオーナーをしているのですが、常連のお客さんたちが語る話を聞きながら、

「世間は広いなあ~」


と思うのが常だそうで。




さて、総理大臣をしている方が、世間を知っているかと言うと、どうもそうでないらしいことから、政治家が世間を知らないのは、もうほぼ、確定的といってよいでしょう。

では、お医者さんはどうでしょう。
私の知人のお医者様は、

「医者の世界はずいぶん偏っていますから、私も本当に世間知らずで」

と、ついこの間、しゃべっていました。

さて、世の中の多くの人は、「世間知らずはよくない」という意識でいますが、本当に世間を知っている人は、一体、どこにいるのでしょう。

おそらく、テレビでコメントをする人たちなんじゃないか、と思います。
自信満々でコメントを出せるという態度そのものが、

「わたしは少なくとも、世間を知ってるんで」

という感じですからね。




5年生の社会科、「わたしたちのくらしと情報」という単元を進めています。

テレビ局や新聞社の仕事が、どう進められていくのかを勉強しています。

そこで、テレビ番組のよくある形として、
ニュース(事件)⇒番組制作側のコメント(送り手)⇒視聴者(受け手)

の流れを図解し、この情報の送り手が何をどんな調子で言うかで、視聴者はいろんな感想を持つ、という普遍的な情報の流れを学びました。

コメンテーターが、

「どうも、分かんないですね」

と首をかしげたら、受け手はどう思うか。

コメンテーターが、

「正論ですね」

と深くうなづいたら、どうか。

こういった関係、制作する側、送り手の意図によって、視聴者はコントロールされていく、という普遍的なことを学んでから、さらに突っ込んで、番組内のコメンテーター役を体験してもらいました。



この、コメンテーターの役を、班ごとにやってもらったのですが、うちのクラス、班が6班あります。
最近ちょうど複数あったので、お題は、今話題になってる、これ。

マクドナルドの「歯」事件。
ペヤングの昆虫事件。
たこやきの、輪ゴム事件。
離乳食のコオロギ事件。
不二家のカビ事件。
冷凍ギョーザ事件。


コメンテーターも、会社を擁護する立場の発言と、会社を攻撃する立場の発言と、二通りありますので、両方やってもらいました。

1班。
「歯とか、ぜったいにあり得ませんよね」
「さし歯って、取れやすいんですよ。おそらく、歯、かぶせてた工場の人も今頃必死になって探しているでしょう。全部人間がつくってるんで、ありえます」

2班。
「輪ゴムとか、許せない。噛めないし、呑み込んだら、赤ちゃんとかおなかこわしますよ」
「ピンク色で、紅ショウガに見えたと思うんですよね。アルバイトの人も、完全に紅ショウガだと思っていますよ、これは。わざとじゃないですね」

3班。
「昆虫なんて気持ち悪くて、最悪の事件ですね」
「いや、そもそもコオロギってふつうに食べれます。ザザ虫だって食えるし、セミのカラアゲも、食えますよ」

コメンテーターの表情や身振り手振り、口調、言い方、すべてひっくるめて、
それらがとてつもなく大きな印象を、視聴者(受け手)に与えていくのだなあ、ということを学びました。



で、多くの子どもたちにコメンテーターの役をやってもらってから、


「世間のことをよく知っている人の役目だったけど、どうだった?」

と感想を聞いたら、

「こんなの世間知ってるとか関係ない。誰でも、何とでも言えるじゃん」


と子どもは恐ろしいことを言っておりましたな。
チャンチャン。


テレビ局
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