元エンジニア・新間先生の自問自答ブログ

転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

.
今年になって、初めて、『道徳』の教科書が配布された。(以下、下ネタ注意)

これまでは、道徳というのは教科として教える内容ではなく、人格全般を扱うものだから、子どもの学校生活全般をみとりながら、生活や人間関係を営む中で、その子その子に応じた指導内容を、適時に適切な方法で扱うこと、というふうに理解されてきた。

ところが安倍政権になり、いわゆる道徳を、正しく教えることになりました。(可能かどうかは別として)

わたしは、これについてはどっちでもかまいません。
やることは同じだ。

たとえ、道徳の教科書を使ったとしても、子どもはびくともしないだろう、と思うネ。
逆に、使わなくてもほとんど影響無い、ということを思うし、それよりもはるかに大きく、子ども自身は、近くに居る大人の考えや行動から学び、影響を受けることが大きいと思われる。

教科書を使っても使わなくても、それ以上に、親の影響、教師の影響、身近な大人の影響を受ける、というのが子どもの立ち位置なのでありましょう。
みなさん、どう思われますか?


ところで、その教科書を、使わないといけないので、パラパラと見ていると、いわゆる

尊く、よきこと

がたくさん書いてある。

ようするに、

子どもたちよ、人生は苦しいが、清く正しくガンバレよ!

ということであります。



そこで、わたしが同じように、

「人生は苦しいが、ガンバレ!」

的な発言をしたとしたら、おそらく子どもは目が点になって、

「どした?いきなりどした?」

と、ざわざわするのが落ちだろうネ。



毎日同じ空間で影響しあって生きているのに、道徳の時間だけ、急にちがうトーンで、話をしてみたって、そんなのどうしたって無理が生じるっての。



ま、やることはやらなきゃ。

私はまず、読み物資料をみんなで声を合わせてがんばって読み、最後に、別の資料に掲載されていた<おすすめのワーク>をやった。

そのワークは、

「自分を振り返り、今の自分にとってもっとも大切だと思うものをみつけ、書きましょう」


という取組みでありました。

「人生の宝物、大事にしていきたいというもの」
を発表しあおう、というのです。

なかなかの難題です。小学校5年生が、心から大切だ、というものを、はたして見つけられるのか。
なかには、教師受けしそうなことを書くだけの「いい子」もいるだろう。
生活経験もそれほど豊かでない、たかだか10歳、11歳の子どもにとって、大切なものって言われて、はたしてしっかりと見つけて書くことができるのか。

わたしは、おそらく、みんな

「おかあさん」

とか

「家族」

とか、

「いのち」

と書くのではないか、と思った。

今の自分の人生に、もっとも大事だと思えるもの、なんだからネ。

あるいは、若い自分たちのこと、

「未来」

とか、

「友情」、「友だち」

それとも、この大自然を育んでくれた、母なる大地、

「地球」

とか・・・。

ともかく、そんな、思わず胸がきゅんとしちゃうような。

子どもたちはその純真な気持ちのままに、

心の宝石箱から
『珠玉の言葉の数々』を選びぬいて


書き始めるのではないか、と想像した。






ところが。


厳粛な気持ちで机間巡視をしはじめた私は、すぐに唇がふるえて真っ青になりかけた。

開かれた道徳のノート。
そこに書かれた、

「じばにゃんのシャーペン」

という文字を認めたからだ。


自分の人生をふりかえり、今の自分にもっとも大切だ、と思うもの。

それが、

「じばにゃんのシャーペン」

だと。

わが目を疑うとともに、何の授業をしていたんだか、一瞬頭がショートしかけた。


そして、さらに驚愕したのが、



これ ↓ ↓ ↓ 






「金玉」






・・・。

もっとも大事なもの。

それは、「金玉」




野球の好きな、男の子です。

私は彼の席の横で立ち止まり、震える指先で、彼の書いた「金玉」の字を指さし、

「これ・・・」

と思わず言いかけると、彼はちょっと、人目をはばかった後、こっそり小声でこう言いました。


「あ・・・いちばん大事なものでしょ!?」



・・・。


だまって丸をふたつ、つけておきました。




(写真は、金玉ではなく、金色に色づきはじめた近所の柿の実。)
金色に色づきはじめた近所の柿の実
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