今日の夕方、テレビで偶然に見たニュース。
中国人の公的な場での喧嘩やマナーの悪さがニュース映像に映っていました。
(そもそもこういったニュースを選んで放送しようとする放送局側の意図にも興味がありますが)
映像には、次の2点がうつりました。
1)電車内で一人(男性?)がもう一人(女性?)にのしかかるようにしているところ。まわりの客はその座席から離れていて、カメラ撮影している人はおそらくスマートフォンか何かでこの動画を撮影したのだと思いますが、それを撮影している状況。
2)電車のホームで女性どうしが大声をあげて喧嘩をしている。そこに駅員か公安か、制服を着た人が止めに入っているシーン。
そして、その映像の解説で、
「中国では1970年代に一人っ子政策をはじめたのですが、その政策によって生まれた世代が大人になって、マナーが悪くなってきている。いわゆる、甘やかされて育った世代なので、公衆道徳にうとく、自分勝手に育ってきてしまっている」
というナレーションが入りました。
ところが、このニュースにはつっこみどころが満載で、そのあと、小一時間頭の中をこのニュースがぐるぐるまわっておりました。(←ひまだね自分も・・・)
こういうニュースを意図して夕方に放映するのはどこの局だ、という議論はさておき、いちばん気になったのは、
甘やかされて育って、自制がきかない人間がそだった。
というフレーズです。
つまり、甘やかされた、ということは、大事にされなかった、ということですね。
大人の手抜きで、どうやら自尊心を大切にされてこなかったから、本当に自分や周囲の人を大切にする、ということを学べず、自分の心や気持ちにも余裕がなく、自制、自省ができない子になった、というのであればわかるのですが。
そして、そういう状況はどこでもどんな状況でも何人兄弟においてもうまれるため、一人っ子政策とはなんら関係ないことも、考えたらすぐに分かりそうなものなのに。
日本人の一人っ子も、そうだ、というのでしょうか。
(そこらへんは、テレビ局もなにもコメントありませんでしたね)
一人っ子はすべて甘やかされて、つまりほったらかされて、無関心で育てられた、というのでしょうか。
そこらへんのロジックが、まったくつじつまのあわないままに、さらりと、いかにも筋が通っています、というように放送されていることの、なんだかおかしさ。
さらにいえば、これに追加して、極端に針がふれる考えがありまして、
「だから、子どもには強圧的に、厳しくあたり、いろいろ注意・指摘・叱声しながら、多くを制限しながら育てるのがいいのだ」
というふうに、短絡的に考える人がいることです。
逆でしょう。
意思を大切に扱われてこなかったから、「大切に扱われてこなかったから」、自暴自棄感がでてきているのであり、自他を含めたパブリックな観点が育たなかったのです。
叱責され、叱声されてばかりで、あるいは指示命令ばかりで意思を尊重されなかったから・・・、ということなので・・・。
甘やかされる、ということと、大切にされる、ということと、区別して考えるべきなのに、それを混線・混同している。
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