発達障害児の対応をずっと続けてくる中で、この1学期にとくに印象に残っていること。
それは、休み時間の過ごし方である。

授業中は、障害児について、かなり対応できるようになってきた。
○事前に授業の流れを伝えておくこと
○細かく指示を出して、そのとおりにやれば、○(マル)をあげること
○集中できるとほめること
○複数のモノを与えないで、一つのことに集中したらよい、という進め方をする
○視覚優位の子には、見て負担にならないものを単数で用意する
○聴覚過敏の子には、落ち着いてしっとりと話しかけ、クラス全体が静かに運営できるようにする


思いつく限りで対応していける気がする。

ただし、昨年まで、休み時間はノーマークだった。
わりとすぐに、職員室へもどってお茶を飲んだり、他の先生の用事を済ませたり、次の授業の準備をしたりしていた。

ところが、その貴重な休み時間が終わって教室へもどると、事件が勃発しているのだ。
休み時間に、だいたい、何かが起きるのだ。
考えてみれば、休み時間は、なにをしたらいいか、わからない不安な時間である。
どうしなさい、こうしなさい、という指示がほとんどなく、ただ自由です、と言われておっぱなされても、実は、少しも自由ではない、というわけ。

「先生、ひま。何をしたらいいの」

こんなふうに言える自閉症児、発達障害児ばっかりだったらいいが、実際は他の子からからかわれていたり、思いもかけない事態が起きていて、他の子と一触即発の状況であることがおおい。

そこで、長い休み時間になったらとにかく、先生から先手を打ったのがいい、と考えた。
わたしは、紙粘土をたくさん用意しておいて、発達障害を抱える子に、さっと休み時間になると渡した。
1週間は、もった。
次は、白い毛糸を持っていき、あやとりしたり、こまかく切って色画用紙に貼ったりして遊んだ。
さらには、牛乳キャップの蓋を色紙でつつみ、毛糸でつるして、金メダル、銀メダルをつくる。
それも終わると、つぎは、白い毛糸を絵具で染めて、疑似染物をして遊んだ。

こんなふうに、休み時間の過ごし方にまで介入し、世話をしたことは、これまでなかった。

休み時間は、こんなふうにすごすと、たいくつをしなくて済むかもしれませんよ。

こうやって、教えて、過ごさせた。

よかったのは、ともかくも、

自閉症、発達障害を抱える子が、けんかもせず、ニコニコと機嫌良く過ごせた、

ということである。