子どもがおそろしいことを教えてくれた。

「きのうね、お母さんが急にぼくをけとばしにきた」


あっけらかん、と。

半分、顔がにこにこしている。

なんだ??

目が点になりつつ、事情を聴くと、

「なんか友達と呑んで、酔っぱらって帰ってきたんだよー、そのあと、急にぼくの部屋にきて、そのときWiiやってたんだけど、急にけとばされた」

「けとばされたあと、ほっぺたたたかれて、そのあと、ひっくりかえされてたおされた」

「そんで、下にいたお父さんもたたかれたって。覚えてないって朝言ってて、そんでWiiのゲームソフト買ってもらうことになった。ごめんごめんって、すっごくあやまってた。ぜんぜんおぼえていないんだって」

なるほど、Wiiのゲームソフト、それがニコニコのわけか。


それにしても、学校や家庭訪問でもお会いしているし、なんだかとてもすてきな雰囲気をもったお母さんで、宿題も確認してくださったり、提出物もきちんとしているし、子どもが熱で早退するときも、本当にすぐに来てくださるような方。
お母さんとしては、たいへん助かる、学校としてもありがたいお母さんである。


うーん、人生いろいろあるからなあ。
まさかけとばすとは。

まあ子どもが言う「けとばす」は、どんな程度なのかわからないので、なんとも言えない。


虐待・・・。



世界中、どのお母さんも、虐待の一歩手前、二歩手前、というところにいるときがあるのかもしれないなあ・・・。

一時的なものかもしれないけど、子どもをうんとキツく、怒鳴りつけたくなるときだってあるのだろう。

教員も同じで、これまで通りの指示が通らない場合や、完全に教師の指示を無視している子、勝手なことばかり始めてしまう子、叱られている意味がわかっていないような子(多くが発達障害に自身も苦しんでいる子)


を、怒鳴りつけたくなってしまうのだ。

ここを、「怒鳴っても意味が無い」

というふうに、まずは頭で理解し、次に、怒鳴る、ではない、別の手立てがとれるようになってくると、教師としては進歩していく。