小学校教員資格認定試験については、これまでにいろいろと書いてきている。

小学校教員資格認定試験

このことで、ひさしぶりにメールが届いたので、書いておく。

小学校教員資格認定試験の見直しについて

小学校教員資格認定試験の見直し、ということが取りざたされている。
文科省のWEBでも情報公開されているのだから、これはかなり確定路線のよう。

この試験の一番のポイントは、なんといっても、これに受かりさえすれば、教育実習に行かなくても教員免許がとれる、ということだ。
このことが、すでにサラリーマンとなって妻子を養う立場の人間には一番のメリットであった。
教育実習が、2、3日ならば休みも取れよう。
だが、1ヵ月である。
この一カ月の休みが、サラリーマンにはなかなかとれない。
仕事を辞めれば可能だが、給料が入ってこない。家賃が払えなくなる。一家が路頭に迷う。

文科省のWEBには、

「大学での教員免許取得がやりやすい状況になっていることもふまえ」

だのと書いてある。
しかし、いまだ、大学の通信課程の教員免許取得、という手段に、

この一番大事な、

教育実習を受けなくても免許取得ができる

というコースは存在しない。
(あったらおしえて!!!!この質問が一番、多いんです!!!)

つまり、この資格認定試験が無くなった途端に、キャリアをやり直そうとする人間の切り捨て、が始まっていくのだ。
何代か前の総理大臣が、再チャレンジのできる日本、ということをおっしゃっていた気がする。
それと、逆行している。


あ、わかった。
臨時任用のアルバイト教師を、増やそうとしているのかも。
サラリーマンを辞めて、将来教師になろうとする人は、アルバイト先生をやれ、というんだろうな。
でも、給与は低いし、やはり家庭を支えるだけの給与がないなら、実質、それは無理、というもの。

私自身、地元の教育委員会に打診してみたが、すぐに講師の口を案内してくれるほど、甘くないのが現実だ。
エンジニアをやっていた年の最後、2月に面接をした。
面接の後、最初に提案された仕事は、音楽の臨時任用。
これはすぐに断った。だって、ピアノもひけないし、直前まで宇宙研でハッカーと闘っていたエンジニアが、音楽の先生にすぐにやれるわけない。
次に案内されたのは、市でもっとも遠い学校。自動車をもっていない私に、通える場所ではなかった。電車とバスを乗り継いで、1時間30分。駅やバス停までの徒歩時間を合わせると、合計2時間。
そこで、1年生プロブレムの対応を週3日。給与は・・・家賃と食費がぎりぎり、という感じ。病気にでもなったら、と思うと、妻子を前に、「これでいく」と言えなかった。

わたしはそれでも、3件目でまあまあ通える学校を提示してもらえたからよかったが、自治体によってはむずかしいところも多いだろう。

こんな状況だから、教育実習を受けるに際して、会社を辞める、というのはかなりの大きな決断になってしまうのです。