元エンジニア・新間先生の自問自答ブログ

転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)




うすっぺらい封筒。
帰宅時、なにげなくポストに手を入れると、○○県、の文字が。

おお!!

もっと遅いと思っていたのに、ついに来たか、通知が!


しかし・・・

ありゃりゃ?

と、意外な気持ちが抑えきれない。
なぜなら、実際の試験会場でも、合格発表は十月下旬と言っていたではないか。
早すぎる、と思うのと同時に、

あ、なるほど、落ちたのか、

と思った。

つまり、不合格者には先に通知が送られるのだろう、と思ったのだ。
合格した人には、順次、次の手続きや資料を同封してから送らなければならない。だから、その分、手続きが遅れてしまっているのではないか。

「こんなに早く、それも薄っぺらい封筒だから、落ちたのだろう」

そんなにショックが無かった。
自分でも不思議なほどだった。
なぜだろう、と自問する。
玄関でくつをぬぎながら、
「ただいま」
といつものように声をかけ、今勤務している学校が心地よいからだろうか、と考えた。

妻が赤ん坊を抱いて出迎えた。

「これ、封筒きたよ」

差し出すと、おおー、とうれしそうな顔をする。

「いやいや、こんなに薄っぺらいよ」

というと、早く開けたがって、リビングに持って行ってしまった。

部屋にかばんを置いてあとを追ってみると、
すばやいもので、もうハサミで封を開けようとしている妻の姿が目に入った。

「薄いからね。それに、思っていたよりも早いし」
ネクタイをほどく。

「そっかー。薄いねー。だめだったか」

封書を開けた妻が、眼を見開いて文面を見つめている。

テーブルにおいてある湯呑に手を伸ばした瞬間、

「あれ?なにこれ?どういうこと?」

と、はずんだ声がした。

口元に運んだ手が、止まった。


「内定って、書いてあるよ。どういうこと?」

え、それ、合格ってことなんじゃ・・・。


あとのことははっきり覚えていない。

落ち着かなく、猛烈な勢いでしゃべりながら、夫婦で廊下やリビングを行ったり来たり・・・。

「じゃ、次の3月は、引越しか?」

妻が、ソファーに腰をおろす音が、静かなリビングに響いた。




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