今日も、気合いを入れて学校へ。

白半袖のYシャツに、紺の小紋柄ネクタイ姿。

学校へ到着して、おはようございます、と挨拶をするなり、

「あれ?今日は出張?」

玄関前を掃いていた、教務の先生に声をかけられる。

竹箒を立てながら、

「すごいビシッとしてるねえ」


「いやあ、そんなのとちがうんですけど・・・でへへ・・・」

とわけのわからないリアクションで、その場をやりすごした。


Yシャツで廊下を歩くと、緊張が募る。
もうすぐ職員室だ。

緊張。

背中が熱く感じる。


思い切って、扉を開けて、

「おはようございます!!」

入り口すぐの男性が振り向いた。N先生だ。
白TシャツにジャージのN先生がこっちを向いて、挨拶を返してくれた。

しかし、それだけ。
なにもコメントなしで、パソコンの画面を見ている。
忙しそうだ。

よし、と思いきって、歩みを進めた。
自分の机の上にかばんを置き、一呼吸。
向かい合わせの主任、K先生に、挨拶を。「K先生、おはようございます」

先生は、あれ?という目をしながらも、

「今日、ピアノの練習、中休みでしたよね!Mくんたちの・・・」

そうそう。Mくんたちが、合唱大会に向けてピアノ練習する日だった。


ここらで、安心感がどっとおしよせてきて、ほっとできた。
つまり、みんな、忙しくて、こちらの服装など、あまり気にしていないのだ。
よかった。
そうだ、そうだ。みんな、自分のことで大忙しなのだ。そんなに、ネクタイしめてるからって、大ごとでも、なんでもないよな。

そう思うと、自意識過剰だった自分が滑稽に思われてくるほどだった。
ハハハ。
内心、急激につのってきた安ど感から、思わず笑い出しそうになったほどだ。
さ、さっそくお茶を一杯、のどをうるおしてから、授業の準備に入るか・・・

と、ふりむいたとたん、

「え~、どうしたの、今日?だれか来るの?指導主事?」

と大声がして、年配のT先生がこちらを見ている。

「え・・?あ・・・?」

「ちょいちょい、お~?どうしたの~。そんなネクタイなんかしめてさあ~」

職員室の大勢が、こっちをふりむいている。
中には口を半開きにして、笑っているような表情も見えた。

やっぱり、ネクタイ姿は、本校ではかなり、めずらしいようでした。
たまらず、2時間目には外してしまいました。
さて、いつになったら、Yシャツ姿で、ゴーイングマイウェイできるのでしょう。

やはり、ジャージが制服なのかなあ・・・。(本校は)