笑顔をつくるために、朝晩、顔のトレーニングをする。
とくに、口の周りの筋肉をきたえるとよいときいたので、やってみている。
しかし、こうして必死になっているのも、他の先生から、
「先生、顔がこわいですよ。とくに黙っているとね。」
とずばり、言われたからである。
「まじめなんでしょう。いい人なんですよ。もっと、笑っていいんです」
これが初任者から言われたのなら文句も言えるが、この道○○年の大先輩の言だったから、素直に反省する気になった。
学校の研修。
研修がひと息ついて、お茶を飲んでいるときのことだ。
とてもきさくな先生で、自校が独自に設定した研修機会に、来てくださった。
数年前まで現役。
管理職をことわり、現役続投にこだわった。
やはり、そういうことを言われるだけあって、笑顔がとてもうつくしい。
うつくしい、というよりも、子どもといっしょに笑っているような笑顔をされる。
ニコニコッ、とされる。
それが、たぶん、自分にはできないのだろう。
顔が、固いのだ。
それで授業やったら、子どもがかわいそう、とまでいわれて、ちょっとへこみそうになったが、そういうことをポンポン言いながら、われわれ現役の教員とコミュニケーションを楽しむ姿をみていたら、へこむよりも、よしいっちょうやってみよう、という気になった。
明るい雰囲気が、そうさせるのだろう。
そういう、包み込むような空気をもたらす、人格。ただようもの。空気。
笑顔かあ。
パタカラでもためしてみるかなあ。
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