まもなく採用試験だ。
面接でのシーンを思い出したので、書いておく。
愛知の1次試験。
集団面接。
こんな質問があった。
「これだけはやってみたい、という授業はありますか」
よい質問だと思う。
とっさに、出てくる人と、そうでない人がいた。
考えがある人、あらかじめ考えていた人は出てくる。
しかし、出てこないので、本当に返答に四苦八苦していた人もいた。
冷や汗が出た。
この質問の返答の仕方が、明暗を分けた。
集団面接は、6人のグループだった。
こんなことを言っては申し訳ないが、隣で聞いていて、
「内容がないな」
と感じた人は、ことごとく落ちたようであった。連番だったので、同じ受験者の大体の番号が分かる。
1次試験の合格通知、結果を確認してみると、うまく答えた人の番号だけが掲載されていた。この質問が、本当に分かれ目、だったのだ。
これだけはやってみたい、というニュアンスがくせものである。
授業というのは、指導要領にそったことをやる。
あらかじめ、決まっていることをするのだから、どんな授業をしたいか、ということであれば、
「指導要領にしたがって、児童に学ばせる必要があることを、きちんと学ばせる授業をしたいです」
というのが正答だ。
しかし、
「これだけは教師人生をかけて、ぜったいにやってみたい!」
と思うような授業があるか、という質問なのだ。
そんなニュアンスで聞かれるから、どぎまぎしてしまって、
「あの、その・・・」
と、ろくに返答できない受験者が多い。
今なら、どうこたえるだろうか。
たとえば、
○国語です。暗唱をします。まじめに覚える子をほめられるからです。まじめに努力する子が正当に評価されるクラス、学級をつくりたいと思うからです。暗唱することで、よい文にふれ、語句の使い方や言い回しを覚えることができます。これは、文を書く力を育むことになると考えます。古典や文化に親しみを覚える児童が増えることも期待できます。
どんな内容でもよいから、はっきりと、こうです、と言えるか。
それに理由をしっかりと言えるか。
この回答の裏に、どんな学級をめざすのか、というねらいが垣間見えるか。
いっしょに受験した仲間で、
○子どもたち全員にオーケストラの指揮をさせたいです
○鶏をさばいたり、牛を飼ったりする授業がしたいです
○オリンピックの選手を呼ぶなど、子どもの夢を育む授業がしたいです
というような、ファインプレー的な、あっと言わすような回答をした受験者はみな落ち、国語とか算数とか理科とかの地道な話を、素朴にして、子どもに学習の力をつけたい、という回答をしていた人が、みな受かっていた。たまたま、偶然かもしれないが・・・。
(試験官によっても、受け取り方や評価が多少は異なるでしょう)
ともあれ、採用試験の面接、1次からの自治体が多いようだ。
昨年の今頃は、私も、過去問をとくなどして、準備をしていた。
熱意と周到な準備があれば、大丈夫。
『努力は人を裏切らない。』
これは、オリンピック金メダリスト、ヤワラちゃんこと、柔道の谷 亮子選手が、テレビのインタビューで答えていた言葉だ。受験時代に聞いて、とても印象に残った。
受験生のみなさん、ぜひ、がんばってください。
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