動物の気持ちが分かる、という人がときどきいます。

縁側で横になっている猫を見て「この猫、眠たそうね」って、そのくらいは誰でも分かりそうなものですが、イルカと話をする有名なダイバーや、「わが家の飼い犬は人語を解する」と主張する人もいます。

動物にはよく見ると豊かな表情があり、「動物と話が出来る」というのはうなずける気がします。
いくつかの短いフレーズを駆使して、人に対して話しかけるチンパンジーもいるようです。
それどころか、驚いたことに植物にさえ気持ちが伝わると、確信する人もいます。

花好きの友人が 「挨拶すると、少うし、笑うのよ」
というのは、花壇に植えてある黄色い水仙の花のこと。
花が笑いかけてくる、というのは何とも幸せな感じ方です。

牛を飼っている別の友人に聞いてみると、
「牛どうしは話しているんじゃないかな。群れ全体が急にまとまって動き出すときとか。こっちの範疇を超えて、コミュニケーションをとっているらしい」と言います。



先日、小さな一、二歳の子どもが何人かで熱心に話をしている現場に行きあわせました。何やら真剣に話しているのでそっと聞き耳をたててみるのですが、日本語に関して経験の長い私にも、ちっとも理解できませんでした。ところが、彼らはお互いの意志が確認できたようで、深くうなづきあっては新しい遊びを始めたのです。小さな子どもの世界には、到底大人の理解できないテリトリーがあるように思いました。