パワーポイントを使って、授業をすることがある。
理科などで、画像をたくさん子どもに見せたいときなどだ。
道徳の授業でも、社会の出来事を題材にするときなどは、同じ情報を共有したいから、子どもにできるだけ、生(なま)の情報をみせている。たとえば、阪神大震災などは、今の子どもたちは知らないから、資料を用意して、見せたいと思う。

パワーポイントを使って、授業用のコンテンツを作った。
自分で授業をやってみた。
子どもは、画像に反応する。大きな写真がもつ力は大きい。

授業が無事終わり、
「1年間、お蔵入りだ」
と思った。
来年、またクラスが変わったら、同じコンテンツで、授業できる。
それまで、1年間、大事にハードディスクにしまいこんでおこう。


しかし、考えてみたら、これだけ苦労して作ったコンテンツである。
自分で言うのもなんだが、なかなかよい出来栄えなのである。
1年間、しまいこんでおくのが、もったいない。

「隣の先生も、使わないかなあ」
と、ふと考えた。

そこで、仲のよい、新任の先生にもちかけてみると、
「ぜひ、使わせてください」
とのこと。
で、さっそく、コンテンツを分けてあげた。


考えてみたら、このようなコンテンツが、学校にはたくさんあるのだろう。
ただ、職員室には、そうしたソフトを共用(ともに、もちいる)ための仕組みがない。
制度的なこともそうだし、人間の頭の中身も、共用する、という意識になっていない。
著作権に関する、誤解もある。

それぞれ個々人の教師が、授業案やプランを持っている。
だから、PowerPointのコンテンツも各自が所有している。
それが当たり前だ。
各自のコンテンツを、皆の前に公開することが少ない。
少ないというより、ほとんど、ないのではないか。
もし情報が欲しかったら、誰が、どんなコンテンツを持っているのか、きいてまわるしかない。

職員室に、ファイルサーバを起動しておいて、教諭どうしが共用できる仕組みをつくれないものか。
そうしたら、それを使った職員から、もっとこうしたらいいとか、高学年向きにはこう直したらいい、などとアイデアもでるだろう。

やれば簡単なこと。
しかし、まだ、仕組みが整っていない。
理由はおそらく、PowerPointを使って授業をする教諭が、少ないからにちがいない。