試験勉強もなにも、自分が受験することすら忘れる勢いで、どんどん日がすぎていく。
給料日など、たまにふと、自分が講師であることを思い出すこともあるが、数秒後には、
授業のこと、子どものこと、で頭のなかみが切り替わってしまう。

こんな調子で願書・募集要項を取り寄せる時期が来た。

願書を取り寄せる手続きを済ませたが、とりあえず、やっておいた、という気分。
忘れないうちに。
自分は、受験するんだな、と言い聞かせながら、封筒をポストへ入れた。

つづいて、願書が届いた。
提出期限は5月の中旬いっぱい。

なんとか土日に仕上げて、願書を出しても、まだまだ7月まで時間がある。(と思っている)

それまでに、1学期の子どもたちの成績付けを済ませなければならない。
通知表を渡すという、人生初の仕事が待っている。
BIGなイベントだ。
通知表なんて、これまでもらったことしかない。
つけたことは、初体験なのだ。

教員採用試験の受験。
ひと事ではない。自分自身のことだ。

でも、どこか、身に迫ってくるものがなかった。
感覚が、にぶいままだった。
原因は、目前の日常に、忙殺されていたことだ。
おかげで、受験についての意識はまだまだ低かった。