30歳で結婚するのを機に、マジメに教師になろう、と決めた。
高卒だったので、「教員資格認定試験」で免許をとった。
35歳になり、講師になった。学級担任になった。

職員室で、35歳というと、若いようだが、若くない。
自分では、もう35か、という気がしている。
新卒の先生を見て、
「しっかりしているなあ」
と思う。

20代の先生をみる、そのたびに、
「自分も20代からこの世界に入っていれば」
と思う。

なにしろ、先生になってからがタイヘンだ。
勉強することが山ほどある。
今から、この高い山にのぼるのか、という感じだ。

先生になるまでに、就職、結婚、育児、免許取得、受験、と進んできて、
ようやく山を越えたか、と思った矢先、
目の前に、ものすごく高い山があった。

20代の先生をみていると、まじめにコツコツと学級経営や指導の勉強をされている。
その姿をみて、ああ、自分も20代からこの世界に入っておきたかった、と痛切に思う。
新卒の先生が、今からこのパワーで10年勉強したら、どれほど成長するだろう。
正直、うらやましい。
そして、ああもっと早く始めていれば、という思いが湧いてくる。

えっちらおっちら、35歳、子持ち、貯金無しの男が、山を登らねばならない。
1学期がようやく終わった。
めまぐるしく、なにをするにも手探りだった1学期。
毎晩、遅い帰宅で嫁さんに苦労をかけました。(いつもありがとう)

35歳なりの、山登りを始めたところです。