まず、免許取得。
通信制大学に通うことにした。
始めてみると、ドサッと届く、教科書やレポートの課題。
これらを定期的にこなし、さらに土日には試験やスクーリングが待っている。
しかし、これしきのことで、免許がとれるならたやすいもの、と始めた。
通常、大学に通うなんて夢のまた夢だ。
でも、通信制大学ならそれがやれる。ありがたい制度だ。これを活用しない手はない。
いつでも辞められるように、と派遣の仕事に就いた。
ありがたいことに、5時、定刻に帰れる。
ある程度の給料を得つつ、夜には本を読んでレポートを仕上げる日が続いた。
そのうち、もう少し落ち着いたら、と先延ばしにしていた結婚話が出てきた。
入籍と、式をやれ、というのだ。
嫁さまの実家から、頻繁に声がかかるようになり、嫁さんもブライダル雑誌などを読み始めるようになった。その直前、
嫁さんは、私に刺激されたのか、保育士と幼稚園教諭の資格がほしい、と言い出していた。
「わたし、短大に通うわ」
びっくりした。
「29歳で、短大に通うのか?」
「そう!もう決めた」
「まわりの子はみんな、18とか19とかだよ。ついていけるか?」
通信制大学を勧めたが、私より一つ年下の嫁さんは、自分は根性無しだから、とうなずいてくれない。私の手元に届いた、膨大なレポートの紙に圧倒されたようだ。
「これだけのことを自分で計画してやっていくのは無理だから、毎日学校へ通うわ」
OL時代の貯金があるから、と豪語して、それをハタいて私立の短大に入学した。
本当は、働いて欲しかった。嫁さんの収入も当てにしていた。しかし、それが入ってこない。
私の稼ぎで、自分の学費と生活費とを捻出することになった。
ギリギリだけど、なんとかなった。
(つづく)
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