30代転職組・新間草海先生の『叱らないでもいいですか』

We are the 99%。転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

2013年05月

おれのが強いぞ

「おれんがつよーぃぞ」

これは、すこし訛りも入っている。

少していねいに書くと、こうなる。

「おれの方が、お前よりも強いんだぞ」



みんなで、ランドセルにしこたま、勉強道具や箸やらハンカチやら、詰め込んでいる。

1年生は、帰宅時間になると、全員で、その作業に没頭しなければならんのです。

十数人が、教室のうしろの方で、あれやこれや、とやっているうちに、

すぐに手を出すTくんが、Mくんの顔の前で、指を突き出す真似をした。

Mくんは、いやなことがあるとすぐに、

「うぇーん」

と言ってしまう。



どうやらそれが、かえって、Tくんの気持ちを駆り立てるらしく、聞くところによると、TくんはMくんに、この行為を最近何度も繰り返していたらしい。

その際に、Tくんが、Mくんに向かって言うのが、


「どう、おれんーがつよい」


という言葉でありました。

そして、このセリフを言うときの、Tくんの表情は、


「どや!」

という感じ。

「勝ったぞ!強いんだゾ!」



ところが、その後、Mくんが目の前を、自分を避けるようにして去ると、Tくんは、

何かに耐えるような、がっちりと冷たい表情になって、口を、きりっと結ぶのだ。

こんなとき、Tくんの顔は、目の光が急に奥の方へひっこんで、「しん」としてしまう。


Tくんを抱きかかえて

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授業参観にみる、スパイ活動のすべて

兄(3年生)の授業参観です。
楽しみでなりません。

小学校の教員は、他の先生の授業を見ると、たいてい、レポートを書かされます。
これが、とても勉強になって大変ありがたいのですが、一方で

「たいへんだな」

という思いも正直ありまして。

ところが、息子の授業参観は、その後のレポート提出がない。
いちばん、世の中で安心してみていられる授業であります。

ところが、安心ばかりもしていられないのでして・・・



3年生の算数。
内容は、「円」の勉強でした。

単元の導入ということで、円の中心を理解するために、コマをつくろう、というのです。

担任の女性の先生が、

「いいですか、今日は、みんなでコマをつくりましょうね」

といった瞬間、わたしには、一瞬のうちに、昨年のわたしの授業展開のことが脳裏によみがえってまいりました。

一度やった授業は、覚えているものです。
プロ野球の選手が、そうだってね。
過去の試合の、7回表の、第何球目に、カーブを投げたか直球を投げたか、と知っていた、という番組をみたことがあります。

あれに近い。

わたしも、実は、3年生の「円」の授業で、コマをつくりましたから。
覚えているのが当たり前です。まったくほんの数秒で、あれこれと思い出すことができました。

さて、ここから、わたしの観た、驚愕の授業参観がスタートするのです。

良く回るコマ

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褒めない叱らない ~なまくら教育~

いったい大人は、なぜ褒めようと思うのだろう。

相手を喜ばせよう、という意図で、ほめるのだろうか?

子どもを喜ばせようというので、ほめるのだろうか?


そういう感じ、ある?
ちょっぴり、ある?

やっぱり、まったく、ない?



ほめると⇒喜ぶ

喜ぶから、褒める?

???


大人が子どもを喜ばせたい、というのは、いったいなんだ?

それ、子どもからしたら、

どういうことなんだろう。



なんで、喜ばせようと思うのだろうか。

子どもに、喜んでもらう、という意識が、もし、ホンの少しでもあるとしたら、あるのだとしたら、それはいったいなんだ?


怒られる子

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素話の魔力

素話のおもしろさ

1)道具が要らない。
2)用意が要らない。
3)自在に長さを調節できる。
4)自在に物語を変更できる。
5)子どもの目を見て話ができる。

いくつかあるけど、すばなし(素話)のよい点は、上記にあると思う。
とくに思うのは、5番。

子どもの目をみて、じっくりと雰囲気をつくることができる。

これは、

○紙芝居
○読み聞かせ

とは、またちがう、特長だと思う。

どうしても、紙芝居や読み聞かせは、視線が途切れる。
悪いことはないし、わたしも大好きだけど、教員になってから、とくに今思うのは、

やっぱり、すばなしの勝ちやな、ということ。
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先生、ほめるの上手ですね (え?ほめてません・・・)

1年生の担任なので、補助の先生がつく。

その先生が、

「先生、ほめるの上手ですね」

とほめてくれた。


1)いったいどんな場面を見て、そう言いたくなったのか。

2)ほめる、というのは、いったい私のどんな行動を見てそう思ったのか。

3)なぜ、上手だ、と言えるのだろうか。



たちまち、上の3つほど、疑問が湧いてきたが、最大の疑問は、

「ほめてないのにな」


ということであります。

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1年生は「とたんに」許す

「許す」 という言葉は、なんだかとても、1年生にそぐわない。

そんな、大上段に構えたようなことは、「思って」 もいない、と思われる。

許す、許される、という縦の関係が、もともと無いのだろう。

だから、敵と味方もなく、

要求をのますとか、のまされる、とかもないし、

自分の立場を固持して、沽券に係わる、ということもないんだろう。

ある立場の大人からしたら、

「そんなにかんたんに、許しちゃっていいの?」

という感じかな。

それで、見ている大人の方があたふたしてしまって、

「え?いいの?もっとちゃんと、自分の要求を言うべきよ!」

とか、

「そんなんで、引き下がっちゃ、ダメ!」

とか、

大人の目線だと、つい言いたくなる。

ところが子どもは実にアッサリしたもので・・・続きを読む

やるな、頑張るな

教室で、不思議なほど、やる気がおきない。
ともかく、まるで静養中の老人のように、静かに過ごしている。

悲しい教員のサガで、

「こんなにテンションが低くて、いいのだろおか」

と、考えても分からないことに不安を感じて、いいか、ダメか、と考えようとしている。

テンションが低くて、良いか悪いかなんて、誰にも決められっこないのにね。不思議な思考の癖。

なぜ、私は今、こんなにもテンションが低いのか。

その前に、自分が掴んでいる、今の自分の状態を、

「テンションが低い」

としているけれど、それはいったい、どういうことを言ってるんだ?

それは…
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今の時期は、女王バチなのか?

すずめばちが、とびはじめました。

わが家は、古い民家であります。
軒下は、どこにだって巣をつくりやすい構造になっている。

嫁様がのんきに朝、畑に出ていると、すごい羽音がして、

なにかが、頭をかすめて飛んで行ったそうです。


カブトムシかな?



嫁様は、近づいて行って、よーく目をこらす。

すると、なんとまあ、軒下に蜂の巣が見えるではありましぇんか!

まだ3センチ程度で小さいけれど、たしかにハチの巣。
さっきの一匹が、せっせと唾液をまぜて、こねこねし、『巣づくり』の最中でした。

嫁様はそれだけで卒倒しそうになったのでありますが、あわてて家の窓という窓をすべて閉め、自分も家の中に飛び込んで、兄と弟を抱えてぶるぶるふるえていたらしい。

しばらくして恐怖がやわらぐと、ふとそのことを忘れて洗濯を思い立ち、洗濯モノをまたもやのんきに干しはじめた。

頭上に、せっせと働くスズメバチがいるのに、である。

すごいよ・・・続きを読む

夢も希望も要りません・・・

休みがつづいて暇があったためか、

いつもは気にしないテレビを、ながながと見た。

Eテレのピタゴラスイッチ、そのほか、ほんの少し、見るべき番組があったが、あとはなにも感じないので、そのうちにやめた。

久しぶりにテレビを見たわい、とつぶやいたら、嫁様は

「見たうちにはいらんよ、それだけじゃ」

と、気の毒な顔をする。


「テレビの本当の面白さを、あなたはちっとも感じられていないようだ」

という、まるでどこかの医者のような見立てのセリフ。

思わず居住まいを正して、

「は、そうでしょうか」

と問うと、

「ゲックのドラマも、最低3回は見ないと、じわじわと面白さが伝わってこないときもある。たった10分やそこらで、決めつけては」

手に持っていた孫の手で、ひざを一度、ぽん、と叩いて、

「それじゃ、あーた、・・・いけませんなぁ」

と言って澄ましている。続きを読む

人が人に困る、ということ

人が人に対して、

「あの人、こまるわ、もう」

というの。


これ、どうなんでしょう。

人を、人と思っていない、ということかと。

何様か、と。

Tくん、困るのよね、と平気で言う人たち。

困る人













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