30代転職組・新間草海先生の『叱らないでもいいですか』

We are the 99%。転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

2008年02月

ふざけ半分でやったことが




男の子。
ひとりの子の背中に、何人もが体重をかけて一度に乗る。
押しつぶされて、声がでない。
くるしくて、耐えるしかなかった。

みんなを扇動した男子に問う。
もちろん、被害を受けた子、扇動に乗って、同じことをしてしまった子、すべてに何が起きたかを言わせる。
自分が何をしたか、何をされたか。
両方を聞いておく。

ここで詰めておかなければ、と思う子は、最後にのこしておく。

<したことの確認>
○○くんに乗っかったのですね。
○○くんに、体重をかけたのですね。

<言い訳を言わせる>
○○くんに、そうしようとする前に何を考えていたのか。
○○くんに、なにかをされたのか。

<たとえ理由があろうが>
理由があっても、○○くんが苦しむことをしていいのか。
あなたがそうすることで、○○くんが、苦しむ、痛めつけられる、いやがる、もしかしたら万が一には、怪我をするかもしれない、そういったことを、ちらりとでも考えましたか。

(考えたなら)
それがわかっていて、なおかつ、そのようなことをしたのですか。では、○○くんをいためつけようとして、やったのですね。あなたにとって、○○くんは、いためつけたい人、いじめたい人なのですね。あなたは、いじめをしたのですね。

(考えなかったのなら)
あなたは、自分が何かをしたら、それがどんな結果をうむか、わからないのに行動してしまうのですね。自分がしたことが、つぎにどうなるのか、わからないのに、衝動的に行動してしまうのですね。ずいぶん危険なことです。とっさに、他の人を怪我させてしまうことも、あるかもしれない、ということですね。

(ちがうと言ったら)
痛がる、苦しむ、とわかっていたのに、平気で、やれるのですね。
人を、痛めつけるのが、平気なのですね。
相手がどう思おうが、ちっともかまわないのですね。
自分がよければ、他の人は苦しんでも、ちっともかまわない、平気だ、そんなことくらい、と思っているのですね。

(そうだ、と強がったら)
わかりました。クラスにそんな人がいるのでは、クラスの他の人がたいへんな迷惑です。安心して授業が受けられません。他の人が安心して、クラスで生活できないので、大変重要な問題です。すぐに校長先生やあなたの親、すべての先生方と相談し、あなたが今後どこで勉強するべきか、決めなければならないと思います。それでよい、ということですね。

(本当はそんなことはしたくなかったと言ったら)
口ではどんなことでもいえます。口では、ごめんなさいは100回でもいえます。本当はそんなことはするつもりがなかった、というのは、言うのはとても簡単なことです。口ではいくらなにを言っても、とうてい信用できません。なぜなら、あなたは、実際に、お友だちをいたぶっているからです。傷つけているからです。口ではそういうことを言いながら、苦しませている、つらい目にあわせているからです。今、あなたが現にしたことは、そういうことです。本当は、あなたは人を傷つけるのが、平気な人なのですね。

(平気ではないと言ったら)
では、あなたはどんな人なのですか。

(自分の口で、言わせる。自分のことを、客観的に言わせる。○○な人。)

⇒自分のことを否定的に言う場合
あなたは今、自分のことを、○○な人、と言いましたね。
ずっとそうやっていくのですか。そのままで、本当にいいのですか。

⇒自分のことを、本当はちがう、本当はみんなと仲良くしたい、と言う場合
じゃあ、なんでそんなことをするんだ!!(一喝・・・泣くまで)


仲良くしていくには、資格が要る。
このクラスでやっていくには、資格が要る。
それは、信頼をとりもどす、ということ。
クラスで困っている人を、助ける、ということ。
手を貸してあげる、ということ。
一番弱い人が、元気でいられるように、していくこと。
そのために、何ができるのか、自分が何ができるか、考えながらすごすこと。
毎日、毎日、それを考え続けること。

そうやって、クラスのみんなの信頼を、とりもどしていくしかない。


(淡々と語って聞かせる)


(最後の詰め)
あなたのせいで、相手が苦しむとき、友だちがつらいとき、心の底から、気分がいいですか。

あなたの心の、一番底から、本当に楽しいと思えるときは、お友達が笑っているときですか。それとも、泣いているときですか。

けんかをしたり、腹を立てたり、かっとなったりするとき、心の底から気分がよいですか。

あなたが一番楽で、たのしくて、心の底から気分がいいなと思えるような、そんな生活をおくってほしい。あなたが笑顔で、たのしそうで、満足していて、学校が大好きだ、と言ってくれるようであってほしい。そうしたら、みんな、あなたが好きになる。大好きになる。それが一番の、先生のねがいです。




そろそろ花粉が




目がしばしばする。
くしゃみがでる。
洟がでる。

来ました。
花粉です。

ふと顔をあげると、校庭の隅に、杉の樹がありまして、花がパァ^^と開いておりました。

教師は、授業中にくしゃみをしてはならない。
授業の流れ、テンポ、すべてが水の泡となる。
歌手が、ウタの最中に、ステージの上で、くしゃみをするようなもの。


だとすると、薬、マスク、それらですべてのこと、できるだけのことをやる、しかない。

マスクは常備。
そして、内服する薬は、アレルギーの薬で、アレグラ、というのがある。
ピンク色の、楕円形?の錠剤だ。

これが私の体質にあっているようで、かなり、これで助かっている(らしい)。


あとは点鼻薬と目薬だが、これはクセになるとかで、
あまりつづけて使わないほうがよいらしい。
常時使用だと、効き目がうすくなるそうです。


それにしても、校庭のあの杉の樹・・・・
どうにかしてくれ・・・・




二本松はじめ先生




6年生をおくる会で、二本松先生のおどりをおどることにした。

これまで知らなかったけど、すごい先生。

うちの子どもに早速、そのビデオを見せたら、
もう一回やろう、もう一回やろう、の連発。

おどりが、こっけいというか、おじんくさいというか、
田舎くさいというか、

だからこそ、おもしろい。
なんだか、ほっとする。

化粧をして、ステージに出るためのおどりではない。
化粧をしなくても、茶の間で、家族でいっしょに、わらいながらおどれそう。
だから、子どもに受けるのだろう。




空気の密度を熱気球で学ぶ




高密度ポリエチレンのふくろを用意する。
エナメル線で、ふくろの口のへりをぐるっと一周、補強する。
エナメル線はテープでとめる。

エナメル線に、3箇所、ひもを固定する。
ひもは、空中にとんだとき、3人がそれぞれ均等の長さでバランスをとる。

アルコールランプ、あるいはアルコールにしめらせた脱脂綿などに
火をつけて、中の空気をあたためる。

しだいに浮かんでいく。

説明:
空気があたためられると、体積が膨張する。
ふくろの中に入っていた空気の体積が膨張して、一部が外に出て行く。

空気の密度がかわる。
袋の外の空気は密度が濃く、比較して、中の空気は密度がうすい。

密度の濃いものは重く下に、うすいものは軽く、上へ行く。




語りの会




語りの会 という会がある。
様々な語り、を聞いたり、実演したりしながら、民話の語りの響きや物語の世界を味わおうという会だ。

元教員の先輩方が、長く地元でやり続けていらっしゃる。

今日、そこへ初めて参加させていただいた。

招かれていたのは、長く沼田さんという俳優の先生に長く師事して、民話の語りを学んでこられた方。
東北の民話を三本、実演していただけた。

片目狐
逆さ狐
あとひとつ、雪の降る話で、これは題名を何とおっしゃったか忘れてしまった。

近所の公民館の小さな和室で、目の前で演じていただくと、にわかに東北の雪の野原が、現れてくる。

ゆっくりとしていても、その第一声から、ある世界を感じさせるような緊張感のある、凛とした声を聞いた。

雪は、のんのん、のんのん、と
降り積もっていく。

子供たちの前で、この言葉の、緻密さ、無駄のない感じを、ぜひ味あわせてやりたいと思った。

子供のたちの体に、
しみこませてやりたい。
この、深い世界を。
この、日本語を。




数え歌 一つ ひなたの山道を




数え歌

一つ   ひなたの山道を
二つ   二人で行きました
三つ   港の蒸気船
四つ   他国(よそ)から着きました
五つ   急いで見にゆけば、
六つ   向こうの青空に
七つ   ならんだ白い雲
八つ   山家(やまが)のおさの音
九つ   ここまで聞こえます
 とんとんからり とんからり
十で港も暮れました
とうに 港も暮れました

指示1 先生のあとについて読みます

指示2 今度は一つ、と先生が数えたら、
     そのあとにみんなが続けます

指示3 交代

発問1 五つ 急いで見にゆく、とありますが、
     何を見に行ったのでしょう。

発問2 九つ ここまで、
     の、「ここ」 とはどこでしょうか。

発問3 とんとんとんからり、という「おさ」の音は、
     いつから聞こえているでしょう。
     港につく前か、港についてからか、
     どちらでしょう。

指示4 五つ急いで見にゆけば、というところから、
     とんとんからり とんからり の音を出して
     ください。
     とんとんからり、のところだけを読む人を
     決めます。
     名づけて、とんから部隊です。
     とんから部隊は、五つ、からはじめます。
     そこまではごいっしょです。
     はじめから、みんなで。さんはい。

指示6 とんから部隊に工夫をします。
     だんだん大きくしていきます。
     まだ五つ、のところはすごく小さい。
     かすかに。
     六つ、七つ、のところは、小さいですが
     だんだん大きく。
     八つ のところからは、はっきりと
     聞こえていることに気づいてます。
     はっきりといいます。
     でははじめから、さんはい。

指示7 おとなりさんと組になってやります。
     どちらかがとんから部隊です。
     では、はじめ。
 

上手にとんからりの音を合わせている二人組みを
見つけて、みんなの前でやってもらう。




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ボリビアという国




南アメリカ ボリビア共和国 峡谷地帯高地総合女性開発プロジェクト というものがある。

自然状況が厳しく現金収入が乏しいこの地域では、朝から晩まで働いてもある一定の生活レベルからは抜け出せない。
現金収入を得る手段はとても難しいのが現状だ。
医療は不足している。食生活は、かなり貧しい。
収量の少ない農業をやり、ぎりぎりの食生活を続けている。
衣、食、住の基本的な環境が整えられないで死んでいく人達、子供達が大勢いる。

富裕層のボリビア人がいる一方で、子どもに物乞いをさせなければ暮らしていけない人も多い。


学校にも満足にいけない。
子どもたちの知識は、驚くほど貧困である。
衛生観念がほとんどなく、病気が多い。


古い知人が、現地で活動を始めて、4年が経過した。
いろいろな情報を届けてくれる中で、これをぜったいに、教材としたいと強く思った。

ボリビアを通して、日本が見えてくる。
そんな教材をつくりたい。

着想だけだが、これから、すすめていこう。
ノートを一冊、まずは用意した。




佐々木正美さんの講演会 その3




講演会の中で、水酸化PCBの話も強烈だった。

環境ホルモンが危険視されて久しいが、PCB(ポリ塩化ビフェニール)は、体内に摂取されると変化して、水酸化PCBというものになるらしい。

佐々木先生は、
「私はくわしくないんです。」
と断って、以下の説明をされた。

・水酸化PCBは、甲状腺ホルモンととてもよく似た配列をしていること。
・甲状腺ホルモンは、母体の中で、胎児の脳を形成するために必要な物質であること。
・まちがって、脳の形成に大きな影響を及ぼすホルモンのかわりに、水酸化PCBが吸収され、配置配列されてしまった場合に、どんな結果が出てくるか、だれも実験をして確かめていないこと。

脳の発達に影響がある。

人間の、脳である。
生まれてくる胎児の、脳である。

おそろしい。
本当のことが知りたい。




佐々木正美さんの講演会 その2




佐々木正美さんの講演会で、泣けてきた話。

子どもが学校へ行きたくない、と言った。
普通級ではなく、支援級だったら行く、と言った。

その子は、発達障害であった。
母親は、佐々木さんの講座で勉強をしていた。
子どもにとって、普通級は耐えられなかったのだろう。

担任の先生はいい人だった。
十分に、普通級でもいけますのに、と言った。
それをきいて、じゃあやっぱり、と思い直すのが、ふつうだろう。

でも、親はことわった。

「この子が、支援級がよいと言っていますので」

周囲の人はいろんなことをいったが、結局、親子はそうして支援級に移った。

発達障害の子が、どれだけの苦しさを抱えているか。
どれだけの生きにくさ、困難を経験するか。

それを知った以上、もはや、普通級には行く気がしなかった、ということだった。




佐々木正美さんの講演会




近くのホールに佐々木さんがくる、というので、勤務を終えてすっとんでいった。
ホールにぎりぎりの時刻に入ると、満員で、もうすでに中へは入れない。
外のロビーに、特設で場が設定してある。
テレビが置いてあり、中継で中の様子を放映してくれていた。
ありがたい!
感謝しながら、それを見る。

ほかにも、息をきらせながらかけつける、私と同じような人が何人もいた。
おそらく、どこかの教員だろう。
みんな、学びたがっているのだ。


講演は見事だった。
一言も、むだな言葉のない講演会。
「えー」も、「それはさておき」も、入る隙がない。
せきばらい一つない。
全部、まるで、著書をその場で一つ完成できるのでは、というくらい、緻密で、内容のある、中身の有る、講演だった。
それだけで、本当に満足した。

佐々木さんは、子どもの声を聴いているのだ。
子どもが、叫んでいる声が聞こえるのだろう。
そして、それに応えるために、全身、傾倒している。
だから、無駄な言葉が、削られているのだ。



子どもを救え。

(以下、メモ)

発達障害の子が大好きだ。正直だ。うそがつけない。
思い、イメージで生きていない。事実で生きている。だから、非常に鋭敏で、そのまんまで、率直に生きている。
率直に生きるのが難しいのが、今の社会だ。

発達障害の人を不幸な状態に追い込んでしまうのは、周囲の人々の無理解。たとえ善意であっても、無理解は誤解と同じことで、ひどい苦痛を強いることになってしまう。

周囲の多くが、発達障害に理解をする必要がある。
環境が整えば、力を、持ち味を、大いに発揮できる人が本当にたくさんいる。

「無理解な保護者、教師、その他の職業者、クラスメイトや一般市民に、彼らはどれほど脅かされ傷つけられてきたことか」

大好きで、安心のできる人、お母さんと、いっしょに話しをしている。そのことで、子どもの前頭前野はすばらしい働きをする。
それが、他の人相手の会話や携帯電話経由であると、脳は一挙に、働きのボルテージをダウンさせてしまう。
高度に活性化させることができるのは、その人が、心を許し、安心し、なにかを託すことのできる人と、共に、コミュニケーションをとる姿の時。それなのだ。
前頭前野の発達が、感情や感覚、配慮、思慮、に影響を及ぼすことは大いに考えられる。

やれることは、当たり前のこと、ということ。




公開研究発表を終えて




勤務校の公開授業の日。
一日中、声をかけられっぱなし。

私は、視聴覚、情報機器担当。
この日は、ふだんはそんなに出番のない機器でも、大活躍する。

デジカメ
ビデオ
ビデオのテープ
プロジェクター
スクリーン
ビデオのバッテリー
そのバッテリーを充電するための装置
その装置につなぐコード
ビデオを固定する三脚
プロジェクターにつなぐピンコード
パソコンの音を出すスピーカ
そのスピーカの音をひろうマイク
体育館用マイク
そのワイヤレス用と、いざというときのための有線マイク
そのマイクを立てるマイクスタンド
それらの機器の電源を確保するための電源ドラム
研究発表のためのパワーポイント資料

などなど。

これらについて、すべて、なんだかんだと質問がくる。

クラス数の少ない、小さい学校なので、教員数が少ない。
一人の教員が、授業もやれば封筒詰めもするし、客の案内もするし、業者に電話連絡をするし、廊下の掲示物を直すし、放送機器、情報機器、すべてやる。

中で、文部科学省の方の講演会があった。
こんな小さな学校なのに、やっている研究がめずらしいからか、調査官が自ら出向いて、講演会をされたのだ。
その方の講演会の中でも、

「今の先生は、なんでもやる」

とおっしゃったのが印象的だった。

そのとおりで、本当に何でも屋だ。

得手の先生に何でも聞いて、どんな指示でもきちんときいて、それをそのとおりにやる。
でなければ、全体のレベルアップができない。

そこで、みんな口々になにかを常に尋ねながら、聞いて回りながら、ことを進めている。

「これ、ここでいいんですかね」
「わたし、持って行きましょうか」
「あと、なにが必要でしょうか」
「連絡しておきましょうか」
「数、確認しました」
「それでいい、ということでした」
「あと10分です」
「おい、あと1分だぞ」

そんなことで、一日中動き回り、なんとか公開発表が終了。

業者が7社も集まる発表は異例だ、とのことであった。

わたしは、よく分からない。
今年が初めてだったからだ。
そんなものか、と思いながら準備をした。

「大活躍でしたネエ」

と、新任の先生に言ってもらったが、実感は無かった。
前職で毎日こんなことばかりやっていたから、身体が勝手に動く。
ようするに、年くってる、ということか。

いずれにしても、得意分野で(と思っているわけでもないが)、お役に立てたようで、よかった。




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